『新建設業を考える』をテーマとして考え続けます。
2009年

平成17年7月23日

以前からこの本をよく知って耳にしていたのだが読んでいなくていざ読んでみるとなるほどと思わせる内容が多々あり土木屋の端くれとしては、もっと早く読んでおけばと今さらながら恥ずかしいおもいをしました。
まずは、インフラ整備として万里の長城とローマの街道網のインフラ整備の考えの違いが『垂直』と『水平』に例えるように技術的な問題がなかったが人の往来を断つか人の往来を促進するかという整備の効果の違いがありました。日本国に置き換えると日本の場合には、周りが海ということでは万里の長城と同じように人の往来を断つ考えの環境にあったといえます。ローマの街道は、中国や日本の東方的な精神的な違いといっていいものかわかりませんが西方文化の広めようとする文化が根底にあり軍事の目的で作られていたにもかかわらず公共性があり流通として、移動として十分な整備の効果がありました。また、ソフトなインフラとしても公衆浴場や軍の病院や教育に関する事柄は、2000年以上前のローマ人の考えがすでに現在の公共工事に通ずるものがあります。また、作られた当時からメンテナンスの考えがあり道路網が国の動脈として位置づけすることはすばらしいことだと思います。水道施設の建造に関しても国家の責務として公共事業として考えていたことも同様にいえることです。
2000年以上の前の施設が現在も使われていることは、すばらしいことであり継続してメンテナンスしたことが十分にうかがえます。現在の日本の構造物はコンクリート片が剥落することなどからようやくメンテナンスが必要だと考えるようになり50年も経てば何らかの変状が出てくることは、もっとはやくから気づくべきであったと思います。
20001年にこの本が発刊されて21世紀の建設業界にとっては、建設を考えるために貴重な参考になると思います。通常の本と違い図や写真が多くあり土木屋にとってわかりやすくまた建設することの意義を考えさせられました。メンテナンスして使用することは、負の遺産とならずに十分に今からでも役にたてることだと思います。また、これからの土木技術者や学生にとっても、建設技術者としての思想を学ぶのに必要な一冊だと思います

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